【第1回】赤ちゃんと妊婦さんのための栄養ガイド
~妊娠前から妊娠中期まで~
はじめに:栄養で変わる妊娠生活
みなさん、こんにちは。産婦人科医コウです。
記念すべき第1回のニュースレターはインスタグラムでも最もご要望の多かった
「妊娠前後の栄養」について
最新の医学研究をもとに、大切なポイントをお話しします。
健康なお子さんの出産のためには、「妊娠してから栄養に気をつければいい」と思っていませんか?近年の研究では。赤ちゃんの健康な発育は、妊娠前からの準備が大きく影響することが分かってきました。
今回は妊娠前から妊娠中期までに重要な栄養素を解説していきます。
1. 葉酸:赤ちゃんの「はじまり」を守る栄養素
なぜ妊娠前から必要なの?
葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」という部分を正常に作るために欠かせない栄養素です。実は、この神経管は妊娠してわずか4週間(生理が遅れて「あれ?」と思う頃)には閉じてしまうんです。
この時期に葉酸が不足していると、二分脊椎や髄膜瘤といった神経管が閉じずに脊髄などが剥き出しになってしまう病気を引き起こしやすくなると言われています。
葉酸不足で病気が起きてしまうことと葉酸を飲んだら病気が防げることは別の話です。
中国で行われた56万組以上のご夫婦を対象にした大規模研究では、妊娠3か月以上前から葉酸を飲んでいた女性は、赤ちゃんの神経管の異常のリスクが大幅に減少したことが分かりました。
つまり、葉酸は妊娠前からきちんと摂取した方が神経管の病気を減らせる栄養素の1つということがいえます。
どのくらい摂ればいいの?
推奨摂取量
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妊娠を希望する女性:1日400マイクログラム
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妊娠中:1日480マイクログラム
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高リスク群(前児に神経管閉鎖障害の病歴がある場合):1日4-5ミリグラム(医師と相談)
葉酸を多く含む食品(100gあたり)
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鶏レバー:1300μg
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牛レバー:1000μg
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枝豆(ゆで):260μg
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モロヘイヤ:250μg
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ほうれん草(ゆで):110μg
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ブロッコリー(ゆで):120μg
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アスパラガス:190μg
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納豆(1パック50g):60μg
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いちご(5粒):90μg
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アボカド(1/2個):84μg
アメリカの調査では、妊娠前からきちんと葉酸を飲んでいた女性はたった30%。でも妊娠前に出産に関する相談を受けた女性は、葉酸を飲む確率が3倍も高くなりました。妊娠前から正しい知識があれば、準備をする方が多い。知識を知っているか知らないかで変わるんですね!
葉酸の追加的な効果
最新の研究では、妊娠1年以上前から葉酸を飲み続けた女性は、早産のリスクが最も低くなることが分かっています。また、葉酸不足は早産だけでなく、赤ちゃんの低出生体重、胎児発育遅延、胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群のリスク増加とも関連していると言われていて、直接胎児奇形だけでなく、妊娠出産を通したリスクを減らす効果もあるようです。
2. 鉄分:妊婦さんと赤ちゃんの元気の源
妊娠中は貧血になりやすい?
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- 3. カルシウム&ビタミンD:骨だけじゃない大切な役割
- 4. DHA(オメガ3脂肪酸):赤ちゃんの脳を育てる油
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